宇宙のはなし
プラネタリウム
天体観測

vol.7

秋の星座を探そう!
 最近、晴れた日に加須未来館から空を眺めていると、澄んだ空に『いわし雲』が見られることが多くなりました。 「いわし雲」は秋の季語の1つ。この雲が見えて秋を感じるこの時期、星空でも魚や水に関する星座で秋の訪れを感じることができます。古代メソポタミアの人々は、秋の夜空を『星の海』と考えていました。星座の生まれ故郷であるこの地方に雨季が訪れ、人々に大切な水をもたらす幸せな季節だったからです。
 秋の星座の中で、最初に東の空から登場してくる星座「やぎ座」。昔、ギリシャの哲人達は、やぎ座の淡い逆三角形の星の並びを人間が昇天する時の入口と考え、『Gate of Gods〜神々の門〜』と呼んでいました。
 隣りの「みずがめ座」は、天の宮殿で大神ゼウスに仕えるガニメーデスという少年の姿が星座になっています。この星座は幸運の集まる星座の一つ。水が大切なこの地方では、水は幸せの象徴です。そのため『幸福』という名前の星が多くあります。サダルメリク(王様の幸せ)、サダルスウド(幸運中の幸運)、サダルアクビア(秘密の幸せ)。もともと暗い星で見つけにくい星座ですが、今年は接近した火星が近くに輝いているので見つけやすくなっています。
 また、そのみずがめから流れ出る水の先に、秋の星空で唯一の1等星「フォーマルハウト」が輝く星座 「みなみのうお座」があります。実は秋の夜空には魚が全部で3匹もいます。
残りの2匹がいるのは「うお座」です。首が100もある怪物テュポーンに襲われた時に、愛の女神ビーナスとその子どものキューピットが変身した姿です。親子が離れ離れにならないようにお互いをひもで結びました。
 もうひとつ、秋の星座には古代エチオピアの王家の物語が夜空で演じられています。そのうち、アンドロメダ座(王家の姫)・ケフェウス座(姫の父)・カシオペア座(姫の母)・ペルセウス座(姫の夫)は、ロイヤルファミリーの星座とも呼ばれています。秋の夜空の標識「ペガススの四辺形」のあるペガスス座と、四辺形から伸びるアンドロメダ座のまっすぐな星の並びをあわせて「旗星」とも呼ばれます。空に掲げられたこの王家の国旗を見つけたら、ぜひロイヤルファミリーの星座も見つけて見ましょう。
 秋の星空は星座の他にも、毎年11月中旬に最も多く流れる、「しし座流星群」や、お隣の銀河「M31:アンドロメダ銀河」、小望遠鏡でも見える「ペルセウス座の二重星団」など見どころ満載です。「天高く馬肥ゆる秋」とも言われるように、秋の空はきれいに澄みわたっています。秋の夜長を感じるこの時期、せわしない日々の気分転換に少しだけ星空を眺めてみませんか。


参考文献: 『新訂 ほしぞらの探訪』(山田 卓  /  発行所 地人書館)  
       『星座の話』(野尻抱影/偕成社 1978)
       『新版星座への招待』 (村山 定男・藤井 旭/河出書房新社)

vol.1春の星座を探そう(2002)
vol.2夏の星座を探そう(2002)
vol.3秋の星座を探そう(2002)
vol.4冬の星座を探そう(2002)
vol.5春の星座を探そう(2003)
vol.6夏の星座を探そう(2003)


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