宇宙のはなし
プラネタリウム
天体観測

vol.6

夏の星座を探そう!
 宮沢賢治の書いた『双子の星』という作品を知っていますか。 その中に「星めぐりの歌」というものがあります。

  「 あかいめだまの さそり   ひろげた鷲の  つばさ
   あおいめだまの こいぬ   ひかりのへびの とぐろ。・・・」

 ここに描かれる「あかいめだま」こそ、梅雨も終わり星たちの賑わいも戻ってきた 夏の夜空、南の低空に赤く輝くさそり座の一等星「アンタレス」です。その名は「アンチ・ アーレス(火星に対抗するもの)」に由来し、しばしば火星と夜空で赤さ比べをしています。
 今年は、火星と地球が今世紀最大の「大接近」をします。火星は8月27日に 最も地球に近づき、その距離は5,576万kmです。一番明るい頃には−3等級ほどで 赤く光っているので誰でもすぐに見つけることが出来るでしょう。今年の主役、「火星」。加須未来館では「特別企画展」で火星の姿や大接近の仕組みを紹介します。また毎週金・土の夜間一般公開でもお楽しみ頂けますので、是非お見逃しないようお出かけください。
 また、夏といえば「七夕」です。夏の夜空でも七夕伝説に出会うことが出来ます。夏の夜、皆さんの頭のあたりには白く輝くのはおり姫星にあたる、こと座の一等星「ベガ」です。その美しさから「夏の夜の女王」とも呼ばれます。そして天の川を挟んで、彦星にあたる、 わし座の一等星「アルタイル」が輝いています。わし座は大きな矢印の形に星が並んでいます。 七夕伝説では、2人の掛け橋になるのはカササギですが、夜空では白鳥が翼を広げ、天の川に 橋をかけています。その尾に当たるのが一等星の「デネブ」です。白鳥座は大きな十字の形をしていますが、北斗七星の枡に入ってしまう小さな「南十字」に比べ、大きく見ごたえがあります。このベガ・アルタイル・デネブをつないだものを「夏の大三角」と呼び、夏の星座探しの 良い目印となっています。また、夏の大三角を使い、北極星を探すこともできます。ここに出てきた七夕の星は、現在の七夕7月7日では梅雨の真っ最中ですが、旧暦の七夕(今年は8月4日)にはとても見やすくなります。
 夏は、銀河の中心を天の川の濃い部分として見られるだけでなく、球状星団M13や「天上の宝石」と呼ばれる二重星アルビレオなど望遠鏡で見ごたえのある天体もたくさんあります。
 今年の夏休みはぜひ加須未来館で、利根川の流れる自然豊かな土手を、そしてたくさんの星空の中を一緒に散歩してみませんか。プラネタリウムや天文台、たくさんのイベントとともに、皆さんのお越しをお待ちしております。


参考文献: 『星座の話』(野尻抱影/偕成社 1978)
       『天文年鑑2003年版』(天文年鑑編集委員会/誠文堂新光社)
       『宙の名前』(写真・文 林完次/発行社 角川書店)

vol.1春の星座を探そう(2002)
vol.2夏の星座を探そう(2002)
vol.3秋の星座を探そう(2002)
vol.4冬の星座を探そう(2002)
vol.5春の星座を探そう(2003)


 加須未来館
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